「片頭痛」は一般的によく知られている症状の一つだと思われますが、実はそこまで多くない頭痛です。当院にも片頭痛を訴えて来院される方も多いですが、実際に問診・検査をしてみると緊張性頭痛であることの方が多いです。「片側だけが痛む」=「片頭痛」だと誤解されていますが、片頭痛には両側性の片頭痛もあります。また肩や首の筋肉の緊張で生じる緊張性頭痛にも片側性で生じることもあります。拍動痛という「ズキンズキン」とした痛み方を呈し、女性に多く日常生活が困難になるほどの強さを出すこともあります
片頭痛の原因
片頭痛の原因は未だに特定されていません。しかし、頭部血管が何らかの原因で急激に血管拡張する時に頭痛が生じるという説が有説としてあります。その原因の一つには自律神経が関与しており、女性の方が発症率は高いと言われています。肩や首の緊張で生じる緊張性頭痛とは異なり、マッサージや入浴などにより血流が増大することで片頭痛が悪化することがあります。最近の研究では片頭痛に対してのカイロプラクティック治療が有効的であるとの研究結果も出ています。
- 何らかの原因で血中にセロトニンが放出
- セロトニンの影響で血管が収縮(前兆発生)
- 収縮した血管が拡張する時に頭痛が発生
- 過剰に拡張した血管から滲出した物質により頭痛が続く
片頭痛の症状
- こめかみ付近にズキズキとするような痛み
- 数時間から数日間続くことがある
- 頭痛発生の前に特徴的な前兆を伴う
- 日常生活に支障をきたすような痛みや吐き気を伴う
片頭痛の前兆
上記でも述べたように片頭痛は発症前に特徴的な前兆を訴えることが多々あります。全く前兆のない片頭痛の方もいます。
- 光や音に対して過敏になる
- 嗅覚(におい)の異常
- 閃輝暗点(目の前が眩しくなる→目の前が暗くなる)
片頭痛に対するカイロ治療
片頭痛は頭部血管の拡張時に生じることから、カイロプラクティック治療では頸部だけではなく、自律神経の関係性から背中(胸椎)の調整も行います。血管の収縮拡張を司る自律神経のバランスを整えることで症状の改善をはかります。緊張性頭痛の治療では血流を上げるような治療も含みますが、片頭痛の治療では血流を上げすぎないように治療時の刺激量もコントロールして行います。混合性頭痛という片頭痛と緊張性頭痛を併せ持つ方がいますが、来院時の状態や発生頻度の割合を問診・検査で判断し治療内容をその方に合わせて対応していきます。片頭痛の改善具合は肩こりや腰痛などの症状と比べると個人差があるため、初回から4回目を目安に初期治療を行っていきます。施術間隔としては3〜4日程度で行います。症状が酷い方は内科治療(服薬)を併用することで治療効果が安定する傾向にあります。